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【1】 次の文章を読んで,問1‒1,1‒2,1‒3,1‒4に答えよ.
を自然数以上の整数)とする.がの倍数であるかどうかは,の各位の数の和がの倍数であるかどうかで判定できる.例えば,
のような大きな数も,各位の和を計算すると,
となって,がの倍数であることから最初の数もの倍数であることがわかる.ここで,がの倍数である」というに関する条件をで表し,の各位の和がの倍数である」という条件をで表す.
問1‒1 の各位の数の和がの倍数であるかどうかを利用してがの倍数であるかどうかが判定できるのは,
(a) はであるための十分条件ではないが,必要条件である
(b) はであるための必要条件ではないが,十分条件である
(c) はであるための必要十分条件である
のいずれであるからか.その理由とともに説明せよ.
問1‒2 の各位の数の和を計算して,その結果が桁以上の数である場合には,再び各位の和を計算するということを繰り返すことで,倍数という概念を直接には利用せずにの倍数であるかどうかを判定することができる.倍数という概念を利用しないの倍数判定法を明らかにし,具体的な数値例も含めて説明せよ.
問1‒3 ある自然数がの倍数であるかどうかを判定するには,で割ってみて割り切れるかどうかをみればよい.このような方法と比較して,前問までで言及した方法が判定法として有用な理由を考察し,それを簡潔に述べよ.
問1‒4 がの倍数である」という条件をで表す.自然数の一の位をとし十の位以上の数をとする.すなわち,
とする.一方,自然数に対しては,
(1) がの倍数である
を満たす自然数が存在すると仮定する.例えば,に対してはやに対してはなどを考えることができる.
与えられたに対し,上の(1)を満たすが存在する場合にそのようなをつ固定して,に対し
とおく.そして,がの倍数である」という条件をとする.このとき,条件と条件の関係を利用してがの倍数であるかどうかを判定することができる.条件と条件の関係を明らかにし,の倍数かどうかを判定する具体的な数値例をあげてそのような判定法を説明せよ.
【2】 次の文章を読んで,問2‒1,2‒2,2‒3,2‒4に答えよ.
個以上の物を個の箱に入れると,ある箱に個以上の物が入る」.この事実は鳩の巣原理と呼ばれており,多くの数学的な事実を証明するのに役立っている.
例えば,赤,青,緑の色の玉が合計個あるとすると,同じ色の玉が少なくとも個あることがいえる.玉を物と考え,赤,青,緑の色を個の箱と考えると,物が個あり,箱が個あることになる.それぞれの玉を同じ色の箱に入れると,鳩の巣原理によりある箱に個以上の玉が入る.それらの玉は同じ色である.
以下の問題を解くために鳩の巣原理を利用する場合は,「物」と「箱」に対応するものが何であるのかを明記して,鳩の巣原理を使った箇所がはっきりとわかるように記述すること.説明の補助のために,図や具体例を使ってもよい.
問2‒1 辺の長さがメートルの正方形の部屋を考える.密を避けるために必要な身体的距離をメートルとするとき,この部屋に入ることのできる人数は人までであることを説明せよ.ただし,部屋の高さは考えずに,平面上で考えること.
問2‒2 平面上の点のうち,座標と座標がともに整数のものを格子点という.座標と座標がともに以上の格子点から個の異なる格子点を選ぶ.このとき,選んだ格子点のどの点の中点も格子点にならないようにする.そのような格子点の選び方が存在する最大のを求めよ.
問2‒3 を自然数とする.からまでの自然数の中から個の異なる自然数をどのように選んでも,その中に奇数が少なくともつ含まれることを説明せよ.
問2‒4 を自然数とする.からまでの自然数の中から個の異なる自然数をどのように選んでも,その中に一方が他方で割り切れるようなつの数が存在することを説明せよ.