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2022 群馬大学 後期情報学部小論文

理系型

易□ 並□ 難□

【1】 次の文章を読んで,問1‒1,1‒2,1‒3,1‒4に答えよ.

  N を自然数 1 以上の整数)とする. N が 9 の倍数であるかどうかは, N の各位の数の和が 9 の倍数であるかどうかで判定できる.例えば,

123456789

のような大きな数も,各位の和を計算すると,

1+2+ 3+4+5 +6+7+ 8+9= 45

となって, 45 が 9 の倍数であることから最初の数も 9 の倍数であることがわかる.ここで, N が 9 の倍数である」という N に関する条件を p で表し, N の各位の和が 9 の倍数である」という条件を q で表す.

問1‒1  N の各位の数の和が 9 の倍数であるかどうかを利用して N が 9 の倍数であるかどうかが判定できるのは,

(a)  q p であるための十分条件ではないが,必要条件である

(b)  q p であるための必要条件ではないが,十分条件である

(c)  q p であるための必要十分条件である

のいずれであるからか.その理由とともに説明せよ.

問1‒2  N の各位の数の和を計算して,その結果が 2 桁以上の数である場合には,再び各位の和を計算するということを繰り返すことで,倍数という概念を直接には利用せずに 9 の倍数であるかどうかを判定することができる.倍数という概念を利用しない 9 の倍数判定法を明らかにし,具体的な数値例も含めて説明せよ.

問1‒3 ある自然数が 9 の倍数であるかどうかを判定するには, 9 で割ってみて割り切れるかどうかをみればよい.このような方法と比較して,前問までで言及した方法が判定法として有用な理由を考察し,それを簡潔に述べよ.

問1‒4  N が k の倍数である」という条件を P で表す.自然数 N の一の位を a とし 0a 9 ), 十の位以上の数を n とする.すなわち,

N=10 n+a

とする.一方,自然数 k に対しては,

(1)  10m+ 1 が k の倍数である

を満たす自然数 m が存在すると仮定する.例えば, k=7 に対しては m =2 m =9 k=9 に対しては m =8 などを考えることができる.

 与えられた k に対し,上の(1)を満たす m が存在する場合にそのような m 1 つ固定して, N に対し

N =n-a m

とおく.そして, N が k の倍数である」という条件を Q とする.このとき,条件 P と条件 Q の関係を利用して N が k の倍数であるかどうかを判定することができる.条件 P と条件 Q の関係を明らかにし, k=7 の倍数かどうかを判定する具体的な数値例をあげてそのような判定法を説明せよ.

2022 群馬大学 後期情報学部小論文

理系型

易□ 並□ 難□

【2】 次の文章を読んで,問2‒1,2‒2,2‒3,2‒4に答えよ.

  k+1 個以上の物を k 個の箱に入れると,ある箱に 2 個以上の物が入る」.この事実は鳩の巣原理と呼ばれており,多くの数学的な事実を証明するのに役立っている.

 例えば,赤,青,緑の 3 色の玉が合計 4 個あるとすると,同じ色の玉が少なくとも 2 個あることがいえる.玉を物と考え,赤,青,緑の色を 3 個の箱と考えると,物が 4 個あり,箱が 3 個あることになる.それぞれの玉を同じ色の箱に入れると,鳩の巣原理によりある箱に 2 個以上の玉が入る.それらの玉は同じ色である.

 以下の問題を解くために鳩の巣原理を利用する場合は,「物」と「箱」に対応するものが何であるのかを明記して,鳩の巣原理を使った箇所がはっきりとわかるように記述すること.説明の補助のために,図や具体例を使ってもよい.

問2‒1  1 辺の長さが 2 メートルの正方形の部屋を考える.密を避けるために必要な身体的距離を 1.5 メートルとするとき,この部屋に入ることのできる人数は 4 人までであることを説明せよ.ただし,部屋の高さは考えずに,平面上で考えること.

問2‒2  xy 平面上の点のうち, x 座標と y 座標がともに整数のものを格子点という. x 座標と y 座標がともに 0 以上の格子点から m 個の異なる格子点を選ぶ.このとき,選んだ格子点のどの 2 点の中点も格子点にならないようにする.そのような格子点の選び方が存在する最大の m を求めよ.

問2‒3  n を自然数とする. 1 から 2 n までの自然数の中から n +1 個の異なる自然数をどのように選んでも,その中に奇数が少なくとも 1 つ含まれることを説明せよ.

問2‒4  n を自然数とする. 1 から 2 n までの自然数の中から n +1 個の異なる自然数をどのように選んでも,その中に一方が他方で割り切れるような 2 つの数が存在することを説明せよ.

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