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【1】 次の文章を読んで,問1-1,1-2,1-3,1-4に答えよ.
大学学部に入学した学生はつのコースに配属される.ただし,各学生はつのコースのみに配属される.また,各コースには少なくとも人を配属する.例えば,人の学生をつのコースとに分けるとき,次の表のように,コースに学生を,コースに学生と学生を配属する配属を含めて,条件を満足する場合の数は通りある.
配属 | 配属 | 配属 | 配属 | 配属 | 配属 | |
コース | ||||||
コース |
問1-1 を以上の整数とする.人の学生をコースとに分ける場合の数が通りであることを説明せよ.ただし,各学生はつのコースのみに配属される.また,コースとに少なくとも人の学生を配属する.
問1-2 を以上の整数とする.コースを追加して全部でコースをつにした.各学生はつのコースのみに配属され,さらに各コースには少なくとも人の学生を配属する.このとき,人の学生をコースととに分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.
人の学生をコースに分けるとき,コースのそれぞれについて配属する学生が人もいないことを許すと,全部で通りに分けることができる.このうち,コースに誰も配属しない場合は全部で通りある.同様に,コースに誰も配属しない場合は通りある.コースについても通りあることになる.これらつの場合を除くと,求める場合の数は通りである.」
この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.さらに,正しい場合の数を求めよ.
問1-3 を以上の整数とする.問1-2と同じ条件で,人の学生をコースととに分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.
人の学生をコースに分けるとき,コースのそれぞれについて配属する学生が人もいないことを許すと,全部で通りに分けることができる.このうち,コースに誰も配属せず,コースとの両方に少なくとも人配属する場合は,問1-1の結果を用いると通りとなる.同じように考えると,コースに誰も配属せず,コースとの両方に少なくとも人配属する場合は通り,同じようにコースに誰も配属せず,コースとの両方に少なくとも人配属する場合は通りある.これらを通りから除くと,求める場合の数は通りである.」
この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.
問1-4 を以上の整数とする.問1-2と同じ条件で,人の学生をコースととに分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.
「まず,つのコース(例えばコースを指定する.次に人の学生を人と人のつのグループに分け,人からなるグループの学生を指定したコースに配属する.残りのつのコースに,人からなるグループの学生を配属する.その方法は問1-1の結果を用いると通りとなる.最初に指定するコースは通りの選び方があるので,求める場合の数は通りである.」
この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.さらに,指定したコースにまず人の学生を配属するという考え方で,正しい場合の数を得るためにはどのような数え方や方法が考えられるか説明せよ.
【2】 次の文章を読んで,問2-1,2-2,2-3,2-4,2-5に答えよ.
図1 駒の動く盤面
図1上のつの地点を動く駒がつある.この駒は手につき,その駒が置かれている地点から出る矢印が指す地点に移動する.ただし,駒が置かれている地点から出る矢印が複数ある場合には,どれか本の矢印を選んで移動する.このような操作を繰り返すことを駒運びと呼ぶことにする.駒がはじめに置かれている地点はである.手目の操作直後には駒は地点に置かれることになる.
問2-1 手目の操作直後に駒が置かれている可能性のある地点をすべて答えよ.
問2-2 手目の操作直後に地点に駒が置かれている矢印のたどり方をすべて答えよ.ある地点からある地点への手分の移動をで表すこととし,この表現を用いて解答すること.
各地点について,どの地点から矢印が向かってきているかを
というベクトルで表すこととする.例えばは,地点に向かって地点からのみ矢印が向かってきていることを表している.
ここで以上の整数について定義されるつの数列のそれぞれの第項を成分とするベクトルについて考える.のときつまりと定める.また,ベクトルの各成分は,それぞれベクトルとベクトルの内積を用いて
と定義されるものとする.
問2-3 ベクトルを求めよ.
問2-4 が以上の整数のとき,駒運びにおいてベクトルは何を表しているかを,理由を含めて説明せよ.
問2-5 駒運びのように平面図形や空間図形以外にもベクトルが利用できる場面がある.平面図形や空間図形以外にベクトルを利用することについて自身の考えを述べよ.