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2022 群馬大学 推薦情報学部小論文

理系型

易□ 並□ 難□

【1】 次の文章を読んで,問1-1,1-2,1-3,1-4に答えよ.

  G 大学 J 学部に入学した学生は 2 つのコースに配属される.ただし,各学生は 1 つのコースのみに配属される.また,各コースには少なくとも 1 人を配属する.例えば, 3 人の学生 a b c 2 つのコース A B に分けるとき,次の表のように,コース A に学生 a を,コース B に学生 b と学生 c を配属する配属 1 を含めて,条件を満足する場合の数は 6 通りある.

  配属 1 配属 2 配属 3 配属 4 配属 5 配属 6
コース A a b c a b a c b c
コース B b c a c a b c b a

問1-1  n 2 以上の整数とする. n 人の学生をコース A B に分ける場合の数が 2n- 2 通りであることを説明せよ.ただし,各学生は 1 つのコースのみに配属される.また,コース A B に少なくとも 1 人の学生を配属する.

問1-2  n 3 以上の整数とする.コース C を追加して全部でコースを 3 つにした.各学生は 1 つのコースのみに配属され,さらに各コースには少なくとも 1 人の学生を配属する.このとき, n 人の学生をコース A B C に分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.

  n 人の学生をコース A B C に分けるとき,コース A B C のそれぞれについて配属する学生が 1 人もいないことを許すと,全部で 3 n 通りに分けることができる.このうち,コース A に誰も配属しない場合は全部で 2 n 通りある.同様に,コース B に誰も配属しない場合は 2 n 通りある.コース C についても 2 n 通りあることになる.これら 3 つの場合を除くと,求める場合の数は 3 n-3× 2n 通りである.」

 この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.さらに,正しい場合の数を求めよ.

問1-3  n 3 以上の整数とする.問1-2と同じ条件で, n 人の学生をコース A B C に分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.

  n 人の学生をコース A B C に分けるとき,コース A B C のそれぞれについて配属する学生が 1 人もいないことを許すと,全部で 3 n 通りに分けることができる.このうち,コース A に誰も配属せず,コース B C の両方に少なくとも 1 人配属する場合は,問1-1の結果を用いると 2 n-2 通りとなる.同じように考えると,コース B に誰も配属せず,コース A C の両方に少なくとも 1 人配属する場合は 2 n-2 通り,同じようにコース C に誰も配属せず,コース A B の両方に少なくとも 1 人配属する場合は 2 n-2 通りある.これらを 3 n 通りから除くと,求める場合の数は 3 n-3× (2n -2) =3n- 3×2 n+6 通りである.」

この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.

問1-4  n 3 以上の整数とする.問1-2と同じ条件で, n 人の学生をコース A B C に分ける場合の数を求めるため,次のように考えた.

 「まず, 1 つのコース(例えばコース A を指定する.次に n 人の学生を 1 人と n -1 人の 2 つのグループに分け, 1 人からなるグループの学生を指定したコースに配属する.残りの 2 つのコースに, n-1 人からなるグループの学生を配属する.その方法は問1-1の結果を用いると 2 n-1 -2 通りとなる.最初に指定するコースは 3 通りの選び方があるので,求める場合の数は 3 ×( 2n-1 -2 )=3 ×2n -1- 6 通りである.」

この考え方には不十分な点があり,誤った結論を導いている.不十分な点を指摘せよ.さらに,指定したコースにまず 1 人の学生を配属するという考え方で,正しい場合の数を得るためにはどのような数え方や方法が考えられるか説明せよ.

2022 群馬大学 推薦情報学部小論文

理系型

易□ 並□ 難□

【2】 次の文章を読んで,問2-1,2-2,2-3,2-4,2-5に答えよ.

2022年群馬大推薦情報学部小論文【2】202202010402の図

図1 駒の動く盤面

 図1上の 3 つの地点 A B C を動く駒が 1 つある.この駒は 1 手につき,その駒が置かれている地点から出る矢印が指す地点に移動する.ただし,駒が置かれている地点から出る矢印が複数ある場合には,どれか 1 本の矢印を選んで移動する.このような操作を繰り返すことを駒運びと呼ぶことにする.駒がはじめに置かれている地点は A である. 1 手目の操作直後には駒は地点 B に置かれることになる.

問2-1  2 手目の操作直後に駒が置かれている可能性のある地点をすべて答えよ.

問2-2  3 手目の操作直後に地点 B に駒が置かれている矢印のたどり方をすべて答えよ.ある地点 X からある地点 Y への 1 手分の移動を X Y で表すこととし,この表現を用いて解答すること.

 各地点 A B C について,どの地点から矢印が向かってきているかを

vA =( 0,0, 1)

vB =( 1,1, 1)

vC = (0,1 ,0)

というベクトルで表すこととする.例えば v A は,地点 A に向かって地点 C からのみ矢印が向かってきていることを表している.

 ここで 0 以上の整数 n について定義される 3 つの数列 { an } {b n} {c n} のそれぞれの第 n 項を成分とするベクトル pn =( an. bn, cn ) について考える. n=0 のとき p0 =( 1,0, 0) つまり a 0=1 b0= 0 c0= 0 と定める.また,ベクトル p n+1 の各成分は,それぞれベクトル v A vB vC とベクトル p n の内積を用いて

an+ 1= vA pn

bn+ 1= vB pn

cn +1= vC pn

と定義されるものとする.

問2-3 ベクトル p 3 を求めよ.

問2-4  n 1 以上の整数のとき,駒運びにおいてベクトル p n は何を表しているかを,理由を含めて説明せよ.

問2-5 駒運びのように平面図形や空間図形以外にもベクトルが利用できる場面がある.平面図形や空間図形以外にベクトルを利用することについて自身の考えを述べよ.

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