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【2】 次の文章を読んで,後の問い(問1〜3)に答えよ.なお解答とともに導出過程を解答欄で説明せよ.
一般に,悪化した水質を改善するためには,湖は河川に比べて時間がかかると言われている.最も大きな理由は,湖の滞留時間が長く,水が入れ替わるために河川より長い時間を必要とするからである.ここで滞留時間とは,水の入れ替わりやすさを表す指標であり,湖や河川に存在する水の体積を年間に流入・流出する水の体積で割ることで定義される.琵琶湖であれば,滞留時間は約年である.
時間年の時点で湖に存在した水のうち年後にも湖に残っている水の体積の割合を残存率と定義して,滞留時間が年の湖のを考えていく.なお,湖の水は常に完全に混合されており,湖面への降水や湖面からの蒸発などはすべて流入や流出の中に含まれているとする.
問1 滞留時間の定義より,滞留時間が年の湖では年間に,湖の水のの体積の水が流入・流出する.このの体積の水が年の間のどの時期にどれくらい流入・流出するかについては様々なパターンが考えられるが,ここではまず,年に回,湖からの体積の水が流出して,その後に同じ体積の新しい水が湖に流入してくるの体積の水が入れ替わり,の体積の水が残存する)ことが毎回繰り返されているとする.
(1) 滞留時間年の湖の年後の残存率を小数点以下桁まで求めよ.
(2) 滞留時間が年の湖のをとを用いて数式で答えよ.
問2 次に,年を等分して,年毎にの体積の水が湖から流出して,その後に同じ体積の新しい水が湖に流入してくることが毎回繰り返されているとする.
(1) この湖の残存率をとを用いて数式で答えよ.
(2) 滞留時間年の湖においてのとき,残存率が以下となるために必要な年数をを用いて答えよ.
(3) (2)の年数を求めよ.必要であれば,の値を用いよ.
問3 問2の湖においてを無限大にして,無限に細かい(無限小の)時間単位で湖の水が入れ替わっているとする.このとき,湖は一定の時間内に同じ体積の水が連続して流入・流出している状況と同じとなり,この湖の残存率は式の指数関数で表されることがわかっている.ここでは自然対数の底と呼ばれる正の定数である.
この湖において,残存率がとなるのに必要な年数を年とする.
(1) をとを用いて数式で答えよ.
(2) この湖の年後は任意の自然数)の残存率が式で表されることを式を用いて示せ.
(3) 琵琶湖の滞留時間が年であり,残存率が式に従うとする.このとき琵琶湖にとってのを求めよ.また,が以下となる,すなわち琵琶湖の水の以上が入れ替わるために必要となる年数を整数で求めよ.必要であればの値を用いよ.