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【2】 ある海域における魚の生息量を一定の期間ごとに調査したとき,漁業をしない場合は生息量が毎期倍になることが知られている.なお,量の単位はトンとする.
〔1〕 初期を第期とし,第期の初めの生息量をで表すことにする(ただし,は正の整数を表す).この魚の増加する様子についてとの関係は次式のようになる.
この関係式より,第期の生息量をとしたとき,第期の生息量は数列で表される.よって,この数列の一般項は次の式のようになる.
〔2〕 次に,漁業をするときの第期の初めの生息量をこの魚の第期の漁獲量とすると,との関係は,
となる.
この漁業は第期初めに行われ,そのときの魚の生息量はとなる.次の第期初めに生息量は倍に増加する.この場合,との関係をを用いないで表すと,次式のようになる.
したがって,第期初めの魚の生息量をの式として表すと,
となる.
このまま漁業を続けて,第期の初めの生息量の値が以下と予測される場合を絶滅と考えるは正の整数).式から,を整理し,両辺をを底とする対数をとり,について整理すると次式を得る.
ここでとして計算すると,この不等式を満たす最小のはとなり,第期の絶滅が予測される.
〔3〕 この魚の絶滅防止対策として第期より生息量が第期の以上に回復するまでの期間を完全禁漁としについて最小のを求めるは正の整数).そのためにまず式からを計算した値をとする.ただし,は小数第位を四捨五入した値とする.
次に,完全禁漁を実施し始めた第期を新たに第期目とする.このとき,第期目の生息量を(ただし,は正の整数)で表すと,式の考え方を応用することができ,数列が得られ,初期値をとし,その一般項は,
となる.
期間完全禁漁であるので,式にを代入し,を満たすを求める.この不等式の両辺を,を底とする対数をとり,について整理すると,
が得られる.
として計算すると,不等式を満たす最小のはとなる.このことから,魚の生息量が以上に最も早く回復するのは第期となることがわかる.