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【1】 をでない実数として,で定義された関数をとする.実数およびでない実数に対して,
(*)
がすべてので成り立っているとする.このとき,はに関する次方程式の解となる.ここで,はについて整理された最高次の係数がである整式である.
等式(*)を満たすがつだけ存在するとするとき,をそれぞれを用いて表すと,である.
以後,等式(*)を満たすがつ存在し,それらをとする.ただし,である.
〔1〕 である.また,との符号が互いに異なるための必要十分条件はである.ここで,はいずれもを用いない式である.
〔2〕 との符号が互いに異なるとする.をある正の実数とするとき,で定義された関数を
のとき
のとき
により定める.に対して
とすると,となる.また,を満たす実数に対して
とすると,となる.よってをとを用いて表すと,となる.
(注:はとの式で答えよ.)
【2】 座標平面上の原点を中心とする半径の円をとして,これと放物線との共有点を考える.
〔1〕 を実数として,とする.このとき,とが共有点をもつための必要十分条件は,である.のとき,共有点の個数はであり,のとさ,共有点の個数はである.
〔2〕 との共有点の個数は最大個である.
〔3〕 とが点を共有点にもつとする.ただし,はを満たす定数である.このとき,はを因数にもつことから,
と表すことができる.ただし,はの次式である.条件より,である.また,であるので,となる.ただし,はいずれもに関する整式である.ここで,は,点を通る直線であることから,この傾きをとおくと,
図1
と表すことができる.これより,をを含まないに関する整式と表すことができる.
特にのとき,のグラフの概形はのようになる.
(注:解答欄に記載されている図1に,グラフの概形をとの共有点が分かるようにかけ.)
【3】 は虚数単位とし,偏角は以上未満とする.また,は複素数の共役複素数を表す.
〔1〕 原点をとする複素数平面上の点を表す複素数をとする.を実軸に関して対称移動した点をとするとき,を表す複素数はである.また,を原点に関して対称移動した点をとするとき,を表す複素数はである.を虚軸に関して対称移動した点をとするとき,を表す複素数はである.ここで,複素数はを含まない式である.
原点との表す点を通る直線をとする.ただしとする.を直線に関して対称移動した点をとする.を表す複素数は,をを中心にだけ回転させ,実軸に関して対称移動した後,を中心にだけ回転したものであるから,と表せる.特にのとき,これはと一致する.
〔2〕 を正の実数とする.このとき,等式
を満たす点の描く図形をとする.を原点との表す点を通る直線に関して対称移動させたものをとする.このとき,上の点は等式
を満たす.ただし,複素数はである.ここで,とが異なるつの共有点をもつとする.このとき,は条件を満たし,線分の長さはである.
また複素数が表す点を通り虚軸に平行な直線を考え,をこの直線に関して対称に移動させたものをとする.このとき,上の点は等式
を満たす.ただし,複素数はである.とが共有点を持たないとき,は条件を満たす.
以下が成り立つとする.複素数が表す点をとすると,である.ただし,である.で囲まれた部分とで囲まれた部分の共通部分の面積は,を用いて表すとである.
を虚軸に関して対称に移動させたものをとする.を結合しつにした図形の外周によって囲まれた部分の面積をを用いて表すととなる.
(注:はを含まないの式である.)
個の球
図2
【4】 を自然数とする.図2のようにからまでの数がつずつ書かれている球がそれぞれつずつ,合計個ある.これらの個の球をすべて袋の中に入れてつ取り出し,その数を記録してから取り出した球を再び袋の中に戻す試行を考える.この試行を回続けて行うとき,回目の試行で記録された数をとする.ただし,である.
〔1〕 とする.
(a) がすべて異なる球の取り出し方は通りである.また,となる球の取り出し方は通りである.
(b) を百の位の数,を十の位の数,を一の位の数にもつ桁の整数を考えるとき,その桁の数がの倍数となるような球の取り出し方は通りであり,の倍数となるような球の取り出し方は通りである.
〔2〕 を小さい順に並べ替えたものをとする.定め方から,であることに注意せよ.
(a) となる確率はである.また,となる確率はである.したがって,である.
(注:必要であれば
であることを用いてよい.ここで,は自然対数の底である.
(b) となる確率はであり,である.