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[1] を係数が実数であるの整式とする.方程式は虚数を解にもつとする.
(1) 虚数もの解であることを示そう.
を解とするの次方程式での係数がであるものは
である.とし,をで割ったときの商を余りをとすると,次が成り立つ.
また,は次式であるから,を実数として,は
と表せる.ここで,が二つの方程式との解であることを用いればとなるので,をに代入することにより,であることがわかる.したがって,であることがわかるので,もの解である.
の解答群
の解答群
(2) を実数として
の場合を考える.このとき,を(1)ので割ったときの商を余りをとすると
となる.はを解にもつので,(1)の考察を用いると
である.また,の以外の解は
であることがわかる.
[2] 以下の問題を解答するにあたっては,必要に応じて常用対数表を用いてもよい.
花子さんは,あるスポーツドリンク(以下,商品の売り上げ本数が気温にどう影響されるかを知りたいと考えた.そこで,地区について調べたところ,最高気温がであった日の商品の売り上げ本数をそれぞれとするとき
であった.このとき
であり,座標平面上の点は一つの直線上にはないので,花子さんはの対数を考えてみることにした.
(1) 常用対数表によると,であるので
である.この値の小数第位を四捨五入したものをとすると
である.同じように,の値の小数第位を四捨五入したものをとすると
である.
さらに,の値の小数第位を四捨五入したものをとすると
が成り立つことが確かめられる.したがって
とおくとき,座標平面上の点は次の方程式が表す直線上にある.
いま,を正の実数とし,座標平面上の点がの直線上にあるとする.このとき,との関係式として,次ののうち,正しいものはである.
の解答群
(2) 花子さんは,地区で最高気温がになる日の商品の売り上げ本数を予想することにした.のときに関係式を満たすの値はの範囲にある.そこで,花子さんは売り上げ本数がの範囲に入るだろうと考えた.
の解答群
以上未満 | 以上未満 |
以上未満 | 以上未満 |
以上未満 | 以上未満 |
以上未満 | 以上未満 |
以上未満 | 以上未満 |
以上未満 | 以上未満 |
2023 大学入学共通テスト 追試
易□ 並□ 難□
[1] 縦の長さが横の長さがの長方形の厚紙がある.この厚紙から容積が最大となる箱を作る.このとき,箱にふたがない場合とふたがある場合で容積の最大値がどう変わるかを調べたい.ただし,厚紙の厚さは考えず,作る箱の形を直方体とみなす.
図1 ふたのない箱を作る場合 |
(1) 厚紙の四から図1のように四つの合同な正方形の斜線部分を切り取り,破線にそって折り曲げて,ふたのない箱を作る.この箱の容積をとする.
次の構想に基づいて箱の容積の最大値を考える.
構想
図1のように切り取る斜線部分の正方形の一辺の長さをとする.をの関数として表し,箱が作れるの値の範囲に注意しての最大値を考える.
箱が作れるためののとり得る値の範囲はである.をの式で表すと
であり,はで最大値をとる.
図2 ふたのある箱を作る場合 |
(2) 厚紙の四隅から図2のように四つの斜線部分を切り取り,破線にそって折り曲げて,ふたでぴったりと閉じることのできる箱を作る.この箱の容積をとする.
図2の四つの斜線部分のうち,左側二つの斜線部分をそれぞれ一辺の長さの正方形とすると,右側二つの斜線部分は,それぞれ縦の長さが横の長さがの長方形となる.
の解答群
太郎さんと花子さんは,をの式で表した後,(1)の結果を見ながらの最大値の求め方について話している.
太郎:の式がわかったから,の最大値は(1)と同じように求められるね.
花子:ちょっと待って.を表す式と(1)のを表す式は似ているね.を表す式とを表す式の関係を利用できないかな.
(1)のが最大値をとるときのの値をとする.の最大値は(1)で求めたの最大値また,が最大値をとるは
の解答群
の倍である | の倍である |
の倍である | の倍である |
の倍である | の倍である |
と等しくなる |
の解答群
ただ一つあり,その値はより小さい
ただ一つあり,その値はより大きい
ただ一つあり,その値はと等しい
二つ以上ある
(3) 縦の長さが横の長さがの長方形に限らず,いろいろな長方形の厚紙から(1),(2)と同じようにふたのない箱とふたのある箱を作る.このとき
ふたのある箱の容積の最大値が,ふたのない箱の容積の最大値
ということが成り立つための長方形についての記述として,次ののうち,正しいものはである.
の解答群
縦の長さが横の長さがの長方形のときのみ成り立りたつ.
縦の長さが横の長さがの長方形のときと,縦の長さが横の長さがの長方形のときのみ成り立つ.
縦と横の長さの比がの長方形のときのみ成り立つ.
縦と横の長さの比がの長方形のときと,縦と横の長さの比がの長方形のときのみ成り立つ.
縦と横の長さに関係なくどのような長方形のときでも成り立つ.
【3】 以下の問題を解答するにあたっては,必要に応じて正規分布表を用いてもよい.
の数字がそれぞれ一つずつ書かれた枚の白のカードが箱に,の数字がそれぞれ一つずつ書かれた枚の赤のカードが箱に入っている.箱からそれぞれ枚ずつのカードを無作為に取り出し,取り出したカードの数字を確認してからもとに戻す試行について,次のように確率変数を定める.
「確率変数
取り出した白のカードに書かれた数と赤のカードに書かれた数の小さい方の数(書かれた数が等しい場合はその数)をの値とする.
「確率変数
取り出した白のカードに書かれた数と赤のカードに書かれた数の大きい方の数(書かれた数が等しい場合はその数)をの値とする.
太郎さんは,この試行を回繰り返したときに記録された個の数の平均値と,回繰り返したときに記録された個の数の平均値が書いてあるメモを見つけた.メモに関する太郎さんの記憶は次のとおりである.
太郎さんの記憶
メモに書かれていたとは「確率変数の平均値である.
太郎さんは,このメモに書かれていたとが「確率変数か「確率変数のうちどちらか一方の平均値であったことは覚えていたが,太郎さんの記憶における「確率変数の部分が確かでなく,もしかしたら「確率変数だったかもしれないと感じている.このことについて,太郎さんが花子さんに相談したところ,花子さんは,太郎さんが見つけたメモに書かれていた二つの平均値をもとにして太郎さんの記憶が正しいかどうかがわかるのではないかと考えた.
(1) となるのは,白のカード,赤のカードともにか,白のカードがで赤のカードが以上か,赤のカードがで白のカードが以上の場合であり,全部で通りある.についても同様に考えることにより,の確率分布は
計 | |||||
となることがわかる.また,の確率分布は
計 | |||||
となる.
確率変数をとすると,の確率分布との確率分布は同じであることがわかる.
(2) 確率変数の平均(期待値)と標準偏差はそれぞれ
となる.このことと,(1)の確率変数に関する考察から,確率変数の平均は
となり,標準偏差はとなる.
の解答群
(3) 確率変数の分布から太郎さんの記憶が正しいかどうかを推測しよう.
の確率分布をもつ母集団を考え,この母集団から無作為に抽出した大きさの標本を確率変数とし,標本平均をとする.の確率分布をもつ母集団を考え,この母集団から無作為に抽出した大きさの標本を確率変数とし,標本平均をとする.
(ⅰ) メモに書かれていた,について考えよう.
花子さんは,となる確率ととなる確率を比較することで,太郎さんの記憶が正しいかどうかがわかるのではないかと考えた.
となる確率は,となる確率であり,(1)のの確率分布より
となり,(1)のの確率分布から,が成り立つことがわかる.
このことから,花子さんは,からでは太郎さんの記憶が正しいかどうかはわからないと考えた.
の解答群
(ⅱ) メモに書かれていた,について考えよう.
が大きいとき,は近似的に正規分布に従い,である.は大きいので,であったとすると推定される母平均をとして,の信頼度の信頼区間は
となる.一方,であったとすると,推定される母平均をとして,の信頼度の信頼区間は
となることもわかる.ただし,の計算においては,とする.
の解答群
については,最も適当なものを,次ののうちから一つずつ選べ.ただし,同じものを繰り返し選んでもよい.
花子さんは,次の基準により太郎さんの記憶が正しいかどうかを判断することにした.ただし,基準が適用できない場合には,判断しないものとする.
基準
の信頼区間にが含まれていて,の信頼区間にが含まれていないならば,太郎さんの記憶は正しいものとする.の信頼区間にが含まれず,の信頼区間にが含まれているならば,太郎さんの記憶は正しくないものとする.
はの信頼区間にはの信頼区間に
以上より,太郎さんの記憶については,
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
含まれている | 含まれていない |
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.
正しいと判断され,メモに書かれていたとは「確率変数の平均値である
正しくないと判断され,メモに書かれていたとは「確率変数の平均値である
基準が適用できないので,判断しない
【4】 数列の増減について考える.与えられた数列の増減について次のように定める.
・すべての自然数についてとなるとき,数列はつねに増加するという.
・すべての自然数についてとなるとき,数列はつねに減少するという.
・となる自然数があり,さらにとなる自然数もあるとき,数列は増加することも減少することもあるという.
(1) 数列は
を満たすとする.このとき
となり,を満たす最小の自然数はである.
数列はまた,自然数に対して,とおくと,数列は
のとき,また,とおくと,のとき,
の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい.)
つねに増加する
つねに減少する
増加することも減少することもある
の解答群
である
である
となることもとなることもある
の解答群
である
である
となることもとなることもある
(2) 数列は
を満たすとする.
以下では,すべての自然数に対してとなることを用いてよい.
とおくと,であり,また
が成り立つ.したがって
により
が成り立つ.
数列の一般項は
である.
したがって,であり,数列は
よってにより,を原点とする座標平面上にからまで点を図示するととなる.
の解答群
の解答群
つねに増加する
つねに減少する
増加することも減少することもある
については,最も適当なものを,次ののうちから一つ選べ.
とし,直線と平面との交点をとする.また,点の座標を
とする.
直線上の点について,を実数を用いて
と表すことにする.
(1) 点の座標は
と表すことができる.点の座標は
である.点は線分を
に外分する.ただし,は最も簡単な整数の比で答えよ.
(2) となるときの点の座標について考えよう.
のとき
が成り立つ.ここで,とが平行であることから,でない実数を用いてと表すことができるので,は
と表すことができる.
と表される.したがって,
のときである.ただし,
であることがわかる.
(3) 直線
点
と表すことができる.さらに,点
と表すことができる.
したがって,点
【3】 方程式
(1) 円
(2) 円
が得られる.これより
が成り立つ.
(3)
である.
円
(4)
である.ここで,
が得られる.方程式
(5) 原点
【4】(1) 関数
が成り立つ.
関数
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| |
|
(2) 太郎さんと花子さんは,(1)の結果を見て,三角関数を含む関数のグラフについて話している.
太郎:(1)の関数
花子:
(ⅰ) 関数
となる.
(ⅱ) 太郎さんと花子さんは,(ⅰ)の結果をもとにグラフの形を予想し,グラフ表示ソフトを用いて確かめてみた.
関数