Mathematics
Examination
Test
Archives
問題
次の条件を満たす係数が整数の多項式を考える.
(Ⅰ) はで割り切れない.
(Ⅱ) 方程式はで重解をもつ.
(Ⅲ) 方程式は異なる整数解をもつ.
このとき,をで割ったときの余りを求めよ.
に対する次の答案に対して,つの下線部(a)および(b)の詳しい証明を与えよ.ただし,つの二重線部の事実は証明なしに用いてよい.
答案
条件(Ⅱ)より,因数定理を用いればを満たす係数が整数の多項式が存在する.このとき,条件(Ⅲ)を満たす整数解の中で以外の解をとれば,
が成立する.ここで,は整数であるから,(a)式(#)を満たすはまたはである.もしとすれば,となり,この値はで割り切れるから,条件(Ⅰ)に反する.ゆえにであるからであり,このとき,式(#)より
であるから,再び因数定理を用いれば,
を満たす係数が整数の多項式が存在する.よって,
と表すことができるから,(b)は奇数である.以上より,整数を用いてとおけば
であるから,をで割ったときの余りは である.
《編注》二重線は,原点では波線.