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1998 東京大学 後期

理科I類

易□ 並□ 難□

【1】  xy 平面上の点 P1 =(0, 10) を中心とし半径が 1 の円周 C1 と, P2 =(0 ,0) を中心とし半径が 2 の円周 C2 を与える. xy 平面上の 3 Q R S を頂点とし,角 QRS が直角になるような直角二等辺三角形 QRS に関して次の問に答えよ.

(1) 点 Q が円周 C1 上を動き,点 R が円周 C2 上を動くとき,第 3 の頂点 S が動いた軌跡を求めよ.

(2) さらに,直線 x+ 2y= 10 の上にある点 P3 を中心とする半径 2 の円周 C3 を与える.点 P3 を適当にとったところ,頂点 Q R S がそれぞれ円周 C 1 C 2 C 3 上にあり,角 QRS が直角になるような直角二等辺三角形 QRS がただ一つだけ定まったという.このときの P3 の座標を求めよ.

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理科I類

易□ 並□ 難□

【2】 パラメータ r θ (r> 0 0θ π4 ) に対して x の関数

f(x )=r sin(x +θ)

を考える.

(1)  r θ が等式

02π ( sinx- f(x) )2 dx= 02 π sin2 xdx (E)

をみたしているとき, r θ の関数として表せ.

(2) 式(E)をみたしながら, r θ を動かしたとき, 0x π における y= f(x ) のグラフは xy 平面上を動く.これらのグラフが動く範囲 D を求め,図示せよ.

(3) 図形 D の面積を求めよ.

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理科I類

易□ 並□ 難□

【3】 グラフ G= (V ,W ) とは有限個の頂点の集合 V= {P1 ,, Pn} とそれらの間を結ぶ辺の集合 W= {E 1, ,Em } からなる図形とする.各辺 Ej はちょうど 2 つの頂点 P i1 Pi2 i1 i2 を持つ.頂点以外での辺同士の交わりは考えない.さらに,各頂点には白か黒の色がついていると仮定する.

 例えば,図1のグラフは頂点が n= 5 個,辺が m= 4 個あり,辺 Ei i= 1 4 の頂点は Pi P5 である. P1 P2 は白頂点であり, P3 P4 P5 は黒頂点である.

 出発点とするグラフ G1 (図2)は, n=1 m=0 であり,ただ 1 つの頂点は白頂点であるとする.

 与えられたグラフ G= (V,W ) から新しいグラフ G =( V , W ) を作る 2 種類の操作を以下で定義する.これらの操作では頂点と辺の数がそれぞれ 1 だけ増加する.

図1

図2

1998年東大後期【3】の図 1998年東大後期【3】の図

(操作1) この操作は G の頂点 P i0 1 つ選ぶと定まる. V V に新しい頂点 P n+1 を加えたものとする. W W に新しい辺 E m+1 を加えたものとする. Em+ 1 の頂点は P i0 P n+1 とし, G のそれ以外の辺の頂点は G での対応する辺の頂点と同じとする. G において頂点 P i0 の色が白又は黒ならば, G における色はそれぞれ黒又は白に変化させる.それ以外の頂点の色は変化させない.また P n+1 は白頂点にする(図3)

図3

1998年東大後期【3】の図

(操作2) この操作は G の辺 E j0 1 つ選ぶと定まる. V V に新しい頂点 P n+1 を加えたものとする. W W から E j0 を取り去り,新しい辺 E m+1 Em+ 2 を加えたものとする. Ej0 の頂点が P i1 P i2 であるとき, Em+ 1 の頂点は P i1 P n+1 であり, Em+ 2 の頂点は P i2 P n+1 であるとする. G のそれ以外の辺の頂点は G での対応する辺の頂点と同じとする. G において頂点 P i1 の色が白又は黒ならば, G における色はそれぞれ黒又は白に変化させる. Pi2 についても同様に変化させる.それ以外の頂点の色は変化させない.また P n+1 は白頂点にする(図4).

図4

1998年東大後期【3】の図

 出発点のグラフ G1 にこれら 2 種類の操作を有限回繰り返し施して得られるグラフを可能グラフと呼ぶことにする.次の問に答えよ.

(1) 図5の 3 つのグラフはすべて可能グラフであることを示せ.ここで,すべての頂点の色は白である.

(2)  n を自然数とするとき, n 個の頂点を持つ図6のような棒状のグラフが可能グラフになるために n のみたすべき必要十分条件を求めよ.ここで,すべての頂点の色は白である.

図5

1998年東大後期【3】の図

図6

1998年東大後期【3】の図
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