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1999 東京大学 後期

理科I類

易□ 並□ 難□

【1】(1)  n を正の整数とする. -π 2x π 2 の範囲において

fn (x)= { sinn xsin x -π 2x π 2 x0 cn x=0

とおくことにより定義される関数 fn (x ) が,連続関数となるように定数 cn の値を求めよ.

(2)  f3 (x) cos x cos2 x 等を用いて表せることを示し,定積分

-π2 π2 f3( x)d x

の値を求めよ.

(3) 任意の正の整数 n に対して,定積分

-π2 π2 f2n +1 (x) dx

の値を求めよ.

1999 東京大学 後期

理科I類

易□ 並□ 難□

【2】 座標平面上の原点を O( 0,0) とする.また x 座標および y 座標がともに整数であるような点を格子点という.

(1)  t を正の実数とする.点 P( -1,0 ) を通り,傾きが t の直線と単位円 x 2+y 2=1 との P 以外の交点を Q (t) とする. Q( t) の座標を求めよ.つぎに, 0<s <t をみたす 2 つの実数 s t に対し,線分 Q (s)Q (t) の長さを求めよ.

(2)  Q (s)PO =α Q (t) PO=β とし

u=tan α 2 v=tan β2

とおく.もし u v がともに有理数ならば,線分 Q (s)Q (t) の長さもまた有理数となることを示せ.

(3) 任意に与えられた 3 以上の整数 n に対し,つぎの条件(C1),(C2),(C3)をすべてみたす n 個の異なる点 A1 A2 A n が,座標平面上に存在することを証明せよ.

(C1)  A1 A2 An はすべて格子点である.

(C2)  A1 A2 An のどの異なる 3 点も一直線上にない.

(C3)  A1 A2 An のどの異なる 2 Ai Aj に対しても,線分 A iAj の長さは整数である.

1999 東京大学 後期

理科I類

易□ 並□ 難□
1999年東京大後期【3】の図

【3】 座標平面上にある 2 つの四角形 ABCD A B C D が相似であるとは,対応する 4 つの頂点における内角がそれぞれ等しく,かつ対応する辺の長さの比がすべて等しいこととする.このとき

ABCD A B C D

と書く.ただし,四角形 ABCD と書くときには, 4 つの頂点 A B C D は図のようにつねに時計と反対回りに並んでいるものとし,また四角形は周および内部を込めて考えるものとする.

 四角形 A0 B0 C0 D0 が与えられたとき,この四角形から出発して,任意の整数 n に対して四角形 A nBn Cn Dn を以下のように帰納的に定める.

(Ⅰ)  n=0 のときは,与えられた四角形 A0 B0 C0 D0 とする.

(Ⅱ)  n>0 のときは,四角形 A n-1 Bn- 1C n-1 Dn -1 まで定まったとして,四角形 A nBn Cn Dn

An= Dn- 1 Bn =C n-1 かつ

An Bn Cn Dn An -1 Bn-1 Cn -1 Dn-1

となる四角形として定める.

(Ⅲ)  n<0 のときは, 0 -1 と負の向きに進んで,四角形 A n+1 Bn +1 Cn+ 1D n+1 まで定まったとして,四角形 A nBn Cn Dn

Dn= An+ 1 Cn= Bn+ 1かつ

An Bn Cn Dn An +1 Bn+1 Cn +1 Dn+ 1

となる四角形として定める.

こうして定まった四角形 An Bn Cn Dn Kn と書くことにする.

さて,座標平面上の 3

A0( 2,1) B0 (8, 4) P(4 ,12)

を考える.原点を O とし,線分 OP 上に原点以外の 1 C0 をとる.点 A0 から線分 B 0C0 に平行にひいた直線と,線分 OP と交点を D0 とする.このようにして定まる四角形 A 0B0 C0 D0 から出発して,上記のようにして得られる四角形の系列

K-2 K-1 K0 K1 K 2

について考える.

(1)  B0 OP を求めよ.

(2) 線分 OP 上のある点 C0 をえらび,それにより定まる四角形 A 0B0 C0 D0 から出発して,四角形の系列 K -2 K-1 K0 K1 K2 を作ったところ,ある 0 でない整数 n が存在して, Kn =K0 となったという.このとき,点 C 0 の座標を求めよ.また, Kn =K0 となる整数 n の値をすべて求めよ.

(3) 線分 OP 上のある点 C0 をえらび,それにより定まる四角形 A 0B0 C0 D0 から出発して,四角形の系列 K -2 K-1 K0 K1 K2 を作ったところ,これら四角形が座標平面から原点を除いた部分を,辺と頂点以外には互いに重なることなく,すき間なくおおったという.このような性質をもつ点 C0 をすべて求め,それらの座標を記せ.またそれらの場合のおのおのについて,点 (100 ,50) Kn に含まれるような整数 n の値をすべて求めよ.

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