2019 京都大学 特色入試理学部

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2019 京都大学 特色入試理学部

配点20点

易□ 並□ 難□

【1】  a 2 以上の整数とし,有理数 b b=1 +1a により定める.自然数 n に対して,

Sn= k=1 nk1 a

とおく.ただし, k1a とは a 乗すると k になる正の実数のことである.以下の設問に答えよ.

(1)  limn Sn nb= 1b を示せ.

(2)  limn (Sn- nbb )= を示せ.

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易□ 並□ 難□

【2】 以下の設問に答えよ.ただし, 0!=1 とする.

(1)  n を自然数とする. F(x ) は実数を係数とする x n 次以下の多項式であって, m が整数のとき F( m) がつねに整数となるものとする.このとき,次の性質(あ),(い)を満たす実数 c0 c1 c2 cn が存在することを示せ.

(あ) 次の式が x についての恒等式となる.

F( x)( x+1) (x+2) ( x+n) =c0+ c1 x+1 +c2 (x+1 )(x +2) + + cn(x +1) (x+2 ) (x+n )

(い)  0kn を満たすすべての整数 k について (n -k)! ck は整数である.

(2)  0 以上の整数 k に対して,次の k 次多項式 Pk (x ) を次のように定める.

P0 (x)= 1

P1( x)=x+ 1

P2( x)=( x+1) (x+3 )

Pk( x)=( x+1) (x+3 ) (x+2 k-3) (x+2 k-1)

また, a b ab を満たす 0 以上の整数とする.このとき, x についての次の恒等式が成り立つことを示せ.

Pa +b( x) a!b! Pa( x)Pb (x) = q=0a 2q q!(a -q)! (b-q) !Pq (x)

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【3】  c を正の実数とする,このとき,実数 q に対して,次の条件により数列 x1 , x2, x3, を定めることを考える.

(A)  x1=q (B)  xn+1 =1 2cxn n= 12 3

ここで,ある自然数 k に対して xk =2c となる場合, xk+1 の値を漸化式(B)によって定義することはできないので,このときは上記の数列を第 k 番目の項 xk で停止させ,これをこの数列の末項とする.このように,条件(A),(B)により定まる数列において,ある自然数 k について xk =2c となるとき, q を漸化式(B)の不都合な初項と呼ぶことにする.例えば q=2 c のとき, x1=2 c となるので, 2c は漸化式(B)の不都合な初項である.以下の設問に答えよ.

(1)  c>1 ならば,漸化式(B)の不都合な初項は無限に多く存在することを示せ.

(2)  c>1 とする.実数 q が漸化式(B)の不都合な初項であるとき,次の不等式を示せ.

c+c2 -1<q 2c

(3) 次の命題(P)が成り立つような実数 c 0<c <1 の範囲に存在することを示せ.

(P) 任意に自然数 M を与えるとき,漸化式(B)の不都合な初項 q であって,不等式

|q| >M

を満たすものが存在する.

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【4】  n を自然数とする.整数 k に関する次の条件(C),(D)を考える.

(C)  0k<n

(D)  kn 1m <k +1n を満たす自然数 m が存在する.

条件(C),(D)を満たす整数 k の個数を Tn とする.以下の設問に答えよ.

(1)  T50 を求めよ.

(2) 次の極限値を求めよ.

limn log Tnlog n

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